ガイドライン・提言・情報提供
最新の国内実態調査結果に基づく診断参考レベル(DRLs 2015)の設定について
J-RIME 日本小児放射線学会代表委員 宮嵜 治
本学会(日本小児放射線学会)を含む国内の11の学術団体、一つの工業団体からなる医療被ばく研究情報ネットワーク(J-RIME)が平成27年6月7日に上記の診断参考レベルを公表した。
診断参考レベルとは、年々増加する医療被ばくに対応するため、WHO,ICRP, IAEAといった国際機関や団体がエビデンスベースの医療放射線防護実現の方法として掲げている。
現在、国際的には国による診断参考レベルの設定が医療被ばく防護の要件となっている。
診断参考レベルを設定した経緯、目的、意義などはDRL報告書に詳細に記載されており、J-RIMEのホームページよりインターネットでダウンロード可能である。ご興味のある先生はアクセスし全43頁の冊子を入手されることが望まれる。
今回公表されたDRLは成人と小児のX線CT、単純X線撮影、マンモグラフィー、歯科放射線、IVR、核医学の7つのカテゴリーを含んでいる。以下に小児CTの診断参考レベルを示す。この診断参考レベルは調査した対照群の3/4値(75 パーセンタイル)に設定している。
この値は個々の患者の検査の被ばく線量の上限を規定ものではない。その施設で行われているルーチンプロトコルと比較し、その値が国全体のDRLの値と大きく違わないことを確認するための指標であり、もしこれを上回っていた場合、この数値を下回るよう撮影条件の見直しをする必要がある。この数値を下回るよう撮影条件の見直しをする必要がある。我が国の小児CTの診断参考レベルを以下に示す。代議員の先生方は各施設におけるプロトコルと下記DRLとの比較が望まれる。
医療情報研究情報ネットワーク(J-RIME) http://www.radher.jp/J-RIME/
「最新の国内実態調査結果に基づく診断参考レベルの設定」
http://www.radher.jp/J-RIME/report/DRLhoukokusyo.pdf