日本小児放射線学会/小池賞受賞者コメント
令和2年 Vol.36-2、37-1受賞
織部 祐介(新潟医療福祉大学診療放射線学科)
この度、論文「Simple evaluation method for radiation dose monitoring using fluoroscopic dose rate in cardiac catheterization for pediatric congenital heart disease」にて、2020年度日本小児放射線学会小池賞の栄誉を賜りました。日本小児放射線学会理事長の小熊栄二先生、編集委員会の先生方、本論文を査読頂いた先生方をはじめ、関係する全ての先生方に心より感謝申し上げます。また、本論文の投稿にあたり研究にご協力頂きましたつくば国際大学の矢部仁先生、埼玉県立小児医療センターの田中宏先生、早稲田大学医療レギュラトリーサイエンス研究所の梅津光生先生、招聘研究員の松浦由佳先生に心よりお礼申し上げます。
私は、名古屋大学医学部保健学科卒業後、同大学大学院博士前期課程を修了しました。その後、2011年4月より埼玉県立小児医療センターにおいて診療放射線技師として臨床に携わり、その時より小児分野の研究を開始致しました。私が小児分野の研究を開始してちょうど10年目の節目に本賞を賜り、大変感慨深く思います。当時は、日中は臨床業務に携わり、夜間や土日に研究として、透視装置やカテーテル装置の線量測定、X線画像の画質に関する物理評価試験、小児放射線治療用のプリパレーション動画の作成に取り組んでおりました。その後、2014年より海外の医療機関において勤務し、2017年に帰国した後、2018年より東京女子医科大学・早稲田大学共同大学院博士後期課程に通い、小児における被ばく低減に関する研究に取り組んでまいりました(2021年3月修了)。現職の新潟医療福祉大学においては、教育にも携わるとともに、小児や低線量放射線被ばくをテーマに研究を展開しております。
臨床や研究に携わる場所は変わってきたものの、小児患者のための被ばく低減手法や優しい検査、治療に関する支援を中心とした研究に従事して参りました。今回、小池賞を受賞できたことは、ひとえに、これまで出会った患者様やそのご家族、ご指導いただいた先輩、同僚の皆様のおかげと、心より厚く御礼申し上げます。今回の受賞研究の成果が、小児の放射線被ばく管理、そして被ばく低減へと繋がることを願って、受賞のご挨拶とさせて頂きます。