一般社団法人日本小児放射線学会 理事長挨拶

赤坂理事長 このたび、日本小児放射線学会の理事長に就任いたしました赤坂好宣と申します。歴史ある本学会のかじ取り役をさせて頂けるとのことで身の引き締まる思いです。歴代の理事長のお名前を拝見して、ここに名を連ねさせていただくことに責任の大きさを実感しています。先輩方ほどの業績もございませんが、ご承認頂いた理事のみなさま、学会員の皆様には感謝申し上げます。

 日本小児放射線学会は、放射線科医、小児科医および小児外科医が多く会員となっており、小児放射線医学ならびにこれに関連する小児医療全般にわたる臨床と研究の促進、および学際領域との連絡提携を図り、学術の発展と小児の健康増進に寄与することを目的として活動しております。 欧米では小児放射線学会は放射線科医のみで構成されていますが、日本では放射線診断医が充足するほどいないことから特に専門性の高い小児の画像診断は多くの施設で放射線科医が行わず、小児科医、小児外科医が担ってきた歴史があります。近年は小児画像診断にも心得のある放射線科医が育ってきておりますが、まだまだ全領域を放射線科医で行うまでには至っておりません。小児医療においても画像診断の進歩は急速でますます重要となってきておりますが、画像検査の中には低線量の放射線被ばくを伴うものや侵襲のある検査もあり、検査の適応や正しい検査法を身につけ、画像診断も正しく判断される必要があります。 本学会では小児画像診断にかかわるすべてのものがそういったことを身に着け、安全で的確な小児画像診断が行えるように普及していくこと、また日々最新の小児画像診断の追求に努めてまいります。

 私は当学会では、久しく教育委員長をさせて頂いていたこともあって、若手医師の教育が重要であると考えております。私の施設にも小児科医の放射線科研修希望者が多くおられ、患者様に良い小児医療を提供するためには画像診断の研修が必要と考えている方が多いです。しかし、彼らも忙しく2-3か月しか研修できません。本当はどの施設にも小児画像診断で信頼できる放射線科医がいることを願っています。ですから、とりわけ若手放射線診断医に小児に対する苦手意識を払しょくしていただきたいと思っております。小児放射線を専門にする画像診断医は少ないですが、小児医療は全国どこででも行われております。本学会では小児放射線教育セミナーを毎年行っており、小児放射線の裾野を拡げる意味で比較的安価に設定して配信しています。

 今後ですが、2029年にはアジアオセアニア小児放射線学会を本学会理事の河野達夫大会長のもと開催する予定となっております。関係者はじめ、学会員一丸となって成功に向けて邁進したいと考えております。本学会員の皆様にもぜひご協力お願いしたいと存じます。

日本小児放射線学会 理事長
兵庫県立こども病院放射線診断科 赤坂好宣

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