このたび、輝かしい歴史と伝統のある本学会の第46 回総会を開催させて頂くことになり、誠に光栄なことであると共に、金川公夫理事長をはじめ会員の皆様方に心より感謝申し上げます。
昨今の医療情勢は大きな転換期を迎えております。医師不足による小児医療・産科医療の崩壊、麻酔医不足による手術制限、救急医療の崩壊など様々な問題が浮彫りになり、「医療崩壊」と呼ばれる現象が引き起こされています。
本学では平成22 年1月からドクター・ヘリが導入され、小児、特に幼若乳児、新生児医療の発展に大いに貢献し、県内のみならず日本全国に対しても大きな影響を及ぼし、小児医療の更なる発展が期待されております。こうした時期に歴史ある日本小児放射線学会を開催することは大変光栄に存じます。
今回の学術集会のメインテーマは「小児の病気に有効な画像診断」とさせていただきました。そこで、特別企画と致しまして、特別講演として「先天性横隔膜ヘルニア:超音波画像からみた肺動脈のサイズと予後」、「小児腹部領域のインターベンショナルラジオロジー」、「意識障害とけいれんをきたす小児神経疾患の画像診断」の3 題、教育講演として「単純レントゲン写真の読み方」、「胎児MRI が役立つ疾患」の2 題、またランチョンセミナーとして「小児放射線医学におけるPET−CTの役割」、「カプセル内視鏡の小児への応用」の2題のご講演をお願いしております。臨床経験豊富な小児医療のエキスパートによるpracticalな講演を期待できるものと思います。
本学会設立当初の臨床小児放射線研究会時代から継承されている伝統的なインパクトのある‘レントゲンフィルム・リーディングセッション’は、本総会の最大の特徴であります。今回も小児科、放射線科、小児外科の医師が集い、小児放射線専門医が与えられたレントゲン写真から様々な情報を得て、小児疾患を討論・診断し、治療方法を検討します。
参加者による活発な討論により、小児医療の質を向上させ、未来を担う子ども達により良い医療を提供し、子ども達の健全育成に貢献できる実りある学術集会になるよう期待しております。
栃木県宇都宮市は東京から東北新幹線で約50 分と交通の便も良く、世界遺産の日光東照宮、さらに明治・大正期の文人が賞美した那須・塩原の山間の温泉郷に足を運ぶには最適の場所であります。
多くの皆様のご参加を心よりお待ち致し、有意義な学術集会に致したく存じております。
第46回日本小児放射線学会学術集会
会長 藤原 利男
獨協医科大学 第一外科教授